福島県は22日、会津若松市一箕町の住宅地で死んでいた野生のコガモ1羽から鳥インフルエンザの陽性反応が出たと発表した。県によると、本年度に鳥インフルエンザの感染が確認されたのは北海道の4件に続き5件目で、本州では初めて。
死骸は18日に見つかり、県の簡易検査では陰性だったが、環境省による遺伝子検査の結果、21日に陽性と判明。感染力が強い高病原性ウイルスかどうかを調べ、週内に結果を発表する見通し。
県内で野鳥から鳥インフルエンザが確認されたのは昨年2月以来、1年8カ月ぶり。コガモは北方から移動する渡り鳥という。
県は22日、関係部局の連絡会議を福島市で開催し、情報を共有した。同省は発見場所から半径10キロ圏を野鳥監視重点区域に設定し、県会津地方振興局と関係7市町村が監視態勢を強化する。低病原性と判明するか、28日間連続で新たな感染が確認されなければ同区域の設定を解除する。死骸の発見場所から半径3キロ圏には100羽未満の鶏を飼育する農場が1軒あり、健康観察の徹底を指導する。
鳥インフルエンザウイルスは、感染した鳥と濃密な接触をした場合などを除き、通常は人に感染しない。県は死んでいる野鳥には素手で触らず、多くの死骸を見つけた場合は県や市町村に連絡するよう呼びかけている。