県は26日、福島市で狩猟の基礎から実践的な技術を学ぶ「ハンタースクール」を開校した。狩猟者の高齢化で鳥獣対策の担い手不足が深刻化する中、人材育成とネットワークづくりを目的に本年度新設した。1期生約40人が熟練の狩猟者を目指して学びを深める。
狩猟免許取得後3年以内の初心者が銃猟とわな猟の2コースに分かれ、来年2月ごろまで狩猟の基礎や捕獲した鳥獣の解体技術を学ぶ。
開校式では県の担当者が県内で有害鳥獣の生息範囲が拡大し、人的被害や毎年1億円超の農作物被害が出ている現状を説明。会津若松市鳥獣被害対策専門員の宮川和大さんが体験談を交え、狩猟時の注意点や鳥獣の利活用方法を紹介した。
県によると、狩猟免許の受験者数は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故が発生した2011年度に急減した。20年度に700人弱まで伸びたが、昨年度は300人を下回り、減少傾向が続く。現在の鳥獣対策は猟友会や趣味で狩猟をしている人を中心に進められており、担い手の確保が喫緊の課題となっている。