福島県会津若松市の商業施設で女性のスカート内にスマートフォンを差し向けたとして、会津若松署は6日午前10時半ごろ、県迷惑行為等防止条例違反(卑わいな行為の禁止)の疑いで南会津町山口字舟場、県山口土木事務所業務課の技師の男(25)を逮捕した。本年度、警察や検察に立件された県職員は5人となり、不祥事に歯止めがかかっていない。
逮捕容疑は、7月3日午後8時ごろ、同市の商業施設で、10代女性のスカート内に撮影目的でスマートフォンを差し向けた疑い。
同署によると、男は容疑を認めているという。同署はスマートフォンを解析し、性的姿態撮影処罰法違反の疑いでも調べる方針。男と女性に面識はなかったという。
県によると、男は2022年度採用で県山口土木事務所に配属され、勤務態度に問題はなかったとしている。
7月3日は出勤していて、勤務後に商業施設に行ったとみられる。
土木部逮捕・起訴4人目 本年度
県職員の不祥事が今年も相次いでいる。県は改めて全庁的に綱紀粛正の徹底を図り、再発防止に取り組む考えで、6日に県庁で記者会見した土木部長は、「信頼回復に向けて再発防止に取り組む中での不祥事。県政への信頼を著しく損なう深刻な事態だ」と頭を下げた。
土木部では8月以降、2021~22年に行われた福島空港の工事入札で情報を漏えいしたとして、出先機関の職員3人が相次いで起訴された。5日には出先機関の長を集めた緊急会議で法令順守意識の徹底を確認したばかりだった。
県は昨年、収賄容疑などで職員5人が相次いで逮捕された。これを受け、外部有識者の意見なども踏まえ懲戒処分の厳格化や研修見直しなどの再発防止対策を導入。しかし今年5月に会津大に派遣されていた職員が不同意性交等容疑で逮捕されたことも含め、不祥事がなくならない状況だ。
県は6日、各部の幹部級職員を集めた臨時の会議を開き、再発防止や信頼回復に全力で取り組む方針を確認。出先機関で不祥事が相次ぐ土木部では、同部長が7日以降、14の出先機関全てを訪問して職員に直接指導を行う方針だ。
ただ同部では8月以降、臨時職員も含めた約1500人の面談や研修などを通じて再発防止に取り組んできた。6日の記者会見で土木総務課長は「なかなか有効な再発防止策を見いだせないところだが、継続してコンプライアンスの徹底に取り組んでいく」と述べ、再度の職員面談なども検討するとした。