福島財務事務所が7日発表した10月の県内経済情勢は、総括判断を前回7月から据え置き「持ち直しに向けた動きに一服感がみられる」とした。賃上げは進展したものの、物価上昇は続いており、価格や出費を意識した節約志向の高まりが見られる。
項目別では、2期連続で個人消費を引き下げた。ドラッグストアは日用品などの売り上げが好調な一方、百貨店やスーパーでは飲食料品などで物価高による節約志向の影響から、衣料品でも買い控える傾向があった。ホームセンター販売額は、インテリア用品が低調で前年を下回った。
生産活動は、汎用(はんよう)・生産用・業務用機械で海外経済減速の影響を受けるが、医療用器具や油圧装置の受注が堅調なため「緩やかに持ち直しつつある」と8期ぶりに上方修正した。人工知能(AI)向けの電子部品・デバイスも生産量が増加している。
先行きについて、前沢浩所長は「雇用環境が改善する中、景気が持ち直しに向かうことが期待される」とした上で、海外経済の動向や物価上昇の影響を注視する必要性も指摘した。