福島市の信夫山で栽培が盛んだった特産品のユズ復活に向けたプロジェクトの2年目が始動した。21日は同山のユズの畑で収穫作業が行われ、生産者や福島東稜高生の有志らが大きく実った果実を丁寧に収穫した。今年は菓子などを開発する協力店舗が当初の4店舗から7店舗に増加、菓子にとどまらず新たにパンやソースなどの加工品も生産する考えという。
プロジェクトは、かつて「北限のユズ」と呼ばれた信夫山のユズの継承を目的に昨年11月から始まり、有志がユズを使った菓子を開発したり、植樹を行ったりしてきた。この日収穫したユズは菓子店などが持ち帰って加工するほか、22日に古民家西坂家で開かれる「信夫山ねこまつり」で販売される。12月には道の駅ふくしまや福島市を中心に展開するドラッグストア「ハシドラッグ」での販売会も予定しており、さらなる認知度向上に取り組んでいく。
同校キャリアデザインコース2年の北川妃那さんは「信夫山のユズは苦みがなくて甘い。再出荷していることを多くの人に伝えたい」と笑顔を見せ、生産者の曳地清明さんは「復活に向けて前進していると感じる」と語った。
信夫山のユズは東京電力福島第1原発事故に伴い11年間出荷停止となり、2022年3月に出荷制限が解除された。