郡山市の飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」で2020年7月に起きた1人が死亡、多数のけが人を出した爆発事故で、福島地検は26日、ガス管の必要な調査をせずに腐敗を見落として事故を引き起こしたなどとして、業務上過失致死傷の罪で、ガス設備の点検を担った郡山市の団体職員の50代男を在宅起訴した。平野大輔次席検事は「検察審査会の議決を受けて再捜査した結果、有罪を立証できると判断した」と述べた。
地検は昨年3月、当時の店の運営会社社長ら4人を嫌疑不十分として不起訴処分としたが、今年1月に福島検察審査会の「不起訴不当」とする議決を受け、再捜査していた。
ほかの3人について地検は26日、「有罪を立証する十分な証拠はないと判断した」として改めて嫌疑不十分で不起訴処分とした。3人の捜査は終結する。
起訴状によると、被告は郡山エルピーガス保安管理センター調査部長として19年12月2日、ガス管などの設備調査を実施した際、必要な調査をせずにガス管の著しい腐敗を見落とした。その上、腐敗防止措置が講じられていないことを十分認識しながら、設置業者に適切な通知などをしなかった。
それにより腐食したガス管から店舗内にガスが漏えいし、20年7月30日午前8時55分ごろ、店舗内にたまったガスに引火して爆発事故が発生、1人を死亡させ、27人を負傷させたとしている。