福島県会津若松市は来年10月1日から、入湯税を現在の1日1人150円から350円に引き上げる。東山、芦ノ牧温泉地域では利用者のいなくなった旅館やホテルが撤去されず、そのままになっていることから、景観整備に向けて新たな財源を確保する。市によると、総務省が標準とする150円から引き上げるのは県内で初めて。市議会12月議会で条例案を提出する。室井照平市長が26日の定例記者会見で発表した。
引き上げ期間は10年間。年間1億4千万円の収入を見込み、10年間で14億円を確保する。市の2022年度の入湯税収入は7860万円だったが、新型コロナウイルス禍前は1億円超で推移していた。引き上げ分は基金に積み立てし、補助金として両温泉事業者が修景に必要な資金に充てる。基金の設置期間は37年3月まで。
室井市長は「よりよい施設になってほしいという思いで踏み切った」と話した。入湯税の引き上げを巡っては、両温泉協会が1月に宿泊客958人にアンケートを実施。「使い道が明確になっていれば協力したい」との回答が9割以上を占めていた。