東日本大震災で被災し、復旧工事が進められていた国指定重要文化財の専称寺(いわき市)で29日、本堂と総門の修繕完了を祝う法要が執り行われた。関係者が市を代表する室町時代創建の古刹(こさつ)の再建を喜んだ。
本堂と総門は震災で全壊判定されるなど、甚大な被害を受けた。その後、国や県、市から補助金を受けて災害復旧事業と保存修理事業が行われた。本堂の屋根を江戸時代当時の形に復元するなど、大がかりな修繕で、総事業費は10億3400万円。工事は2012年3月に始まり、約6年半で完了。落慶法要は19年10月に予定されていたが、東日本台風で延期していた。今年が浄土宗開宗850年に当たることから、落慶法要が行われた。
法要の導師は遠藤弘道住職が務めた。遠藤住職は復旧工事に熱い思いを注いだ父で先代の故顕道住職の思いに言及し「先代の思いを受け継いで導師を務められたことをありがたく思っている。引き継いだバトンを皆さまの力添えを頂きながら少しでも前に進めることを誓う」と語った。