投票日までまだ5日間ある。物価高や外交などで課題が山積する中でどの党、どの候補者に議席を与えるべきかを熟慮し、大切な権利を行使したい。
例えば、各党、各候補者が物価高などを理由に、国のお金の一部を国民に給付したり、消費税を下げたりすることで、国民の負担軽減を図るとの訴えに力を注いでいる。給付がいいか減税がいいかが明確に決まっているならば、それだけでも投票に行く理由になる。
投票した党や候補者が議席を得れば、支持する理由となった政策が実現する可能性が高まる。仮に議席を得なかったとしても、得票率が伯仲すれば、議席を得た側も強引な政策決定はしにくくなる。
前回参院選の福島選挙区の投票率は53.40%で、当選者は投票数5割を超える約42万票を得た。ただし、全有権者のうち、投票によって当選者を支持したのは3割に満たない。
3年前の参院選では、応援演説中の元首相が銃撃され、死亡する痛ましい事件があった。それがきっかけとなり、自民党をはじめとする政党と旧統一教会の選挙支援に絡んだ癒着の構造がクローズアップされることになった。
投票率が低ければ、こうした選挙支援が選挙結果に色濃く反映されることにもなりかねない。政党としても組織的な支援を展開する団体などの意向に左右されやすくなる。より多くの民意を政治に反映するには、投票率を上げることが不可欠だ。
県選管によると、投票日1週間前となるおとといまでに期日前投票を済ませた有権者は18万2062人で、前回の同時期より約3割多くなっている。投票率に換算すると、11.97%に当たる数だ。
投票日の20日は翌日が祝日のため、土曜日を含め3連休となる人にとってはその中日となる。遠出を伴うレジャーなどを計画している有権者は多いだろう。
市役所や町村役場のほか、期日を限った形でショッピングセンターなどにも期日前投票所が設けられている。20日に選挙に行くのが難しいという有権者は、投票所の入場券に記された期日前投票所を確認し、前日までに投票を済ませてほしい。
本紙は、紙面やインターネットのホームページで福島選挙区の候補者の政見やアンケートの回答を掲載している。またホームページでは、争点に関する設問に答えていくと、自分の考えに近い政党と考えの合致度が示される「ボートマッチ」を掲載している。投票先の検討に役立ててもらいたい。