子どもたちが充実した生活を送れるよう、保護者がしっかりと見守っていくことを心がけたい。
間もなく県内の小中学校、高校で2学期が始まる。最も長い学期で、子どもたちが腰を据えて、さまざまなことに挑戦できる期間だ。学校祭や部活動ごとの大会、コンクールなどの行事が予定されている。何かに真剣に取り組んだり、仲間と協力して何かを作り上げたりする経験は自らが成長しているとの実感や、新たなものの見方を与えてくれる。
子どもたちにはこうした行事や、自分で立てた目標などに積極的にチャレンジし、2学期を有意義な期間としてほしい。
保護者は子どもらの前向きな変化を捉え、声をかけることが大切だ。頑張りを認めてあげることで成長を後押ししてもらいたい。
文部科学省は夏休み終盤に合わせ、子どもらに「悩みを話して」と呼びかける大臣メッセージを出した。長い休みの後は子どもたちの気持ちが不安定になり、自殺者が増える傾向にあるためだ。休みが終わったら、学校に行きたがらなくなったというケースも多い。
県教委の担当者は、夏休みの終わりという環境の変化が良い方向にも悪い方向にも作用する可能性があるとして、子どもの様子にいつも以上に注意を払うのが重要と話す。身だしなみを気にしなくなる、健康管理や自己管理がおろそかになる、身体の不調を訴えることがあるとすれば危うい兆候だ。特に注意しなければならない。
子どもらに気になる変化がみられる場合には、無理に学校に行かせようとしたり、理由を聞こうとしたりすると、かえって子どもを追い込むことにもなりかねない。早めに学校と相談し、協力して解決を図るようにしたい。
中学生や高校生にスマートフォンを持たせている家庭は多い。子どもが交流サイト(SNS)などを通じて犯罪被害に巻き込まれることが増えている。新学期のスタートを機に、スマートフォンやインターネット利用のルールを家族の中で確認しておくべきだ。
犯罪被害は、SNSへの投稿がきっかけとなりやすいとのデータがある。子どものインターネット利用には不適切なサイトへの接続を防ぐフィルタリングが有効とされるが、フィルタリング対象外のサイトからでも犯罪につながる恐れがあるということだ。
どのようなサイトをどのように使用しているのかを把握し、子どもに保護者が見ていることを意識させることで、節度のある利用に導いていくことが求められる。