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【8月27日付社説】新型コロナの拡大/暑くても換気を徹底しよう

2025/08/27 08:10

 新型コロナウイルス感染症はいまだ克服できておらず、高齢者や病気を抱える人が感染すれば、重大な結果につながりかねない。自分だけではなく、周囲の人の健康を守るため、改めて感染防止対策を徹底したい。

 全国的に新型コロナの感染拡大が続いている。厚生労働省のまとめによると、全国約3千の定点医療機関から8月11~17日の1週間に報告された新規感染者数は約2万2000人、1機関当たり6.30人で9週連続で前の週を上回っている。本県の同期間の感染者は373人で、1機関当たり7.77人と全国平均を上回っている。

 感染は例年、人の移動が多くなるお盆と正月以降に増え、その後、徐々に収束する傾向にある。ただ、今回の感染拡大は、通称ニンバスと呼ばれる、ウイルスの新たな変異株の感染力が強いことが影響しているとみられる。

 ニンバスへの感染は本県でも、6月の感染者に初めて確認されており、現在の感染拡大でも一定数を占めているとみられる。重症化の恐れは高くないものの、喉の痛みが激しいのが最大の特徴だ。発熱やせきの症状もある。

 感染症法上の扱いが季節性インフルエンザなどと同じ5類に移行し、検査や薬の処方には費用が必要となるが、新型コロナの感染と知らずに症状を悪化させてしまうことは避けなければならない。風邪のような症状がある場合には、早めにかかりつけの医療機関などに相談してほしい。

 県の担当者は、「子どもたちの2学期が始まって、交流が活発となることで、さらに増加の傾向が続く恐れもある」とみて、警戒を強めている。感染を防ぐ方策は、これまで通りマスクの着用や手洗いの励行に尽きる。自身や周囲の人に新型コロナが疑われる症状が見られる場合には、マスクを着用すべきだ。

 今回の感染拡大は、猛暑により窓を閉め切ったままエアコンを使うなどしているため、十分な換気ができていないのが影響しているとの見方がある。窓を定期的に開けたり、少し開けたままにしたりして、常に新鮮な空気を室内に入れるようにすることが大切だ。

 重症化を抑えるには、ワクチン接種が有効だ。65歳以上の高齢者や、60~64歳で基礎疾患のある人は定期接種を受けることができる。5類移行後はワクチンを接種していないという人は多いのではないか。ワクチンは時間の経過により効果が薄くなる。定期接種の対象者はできる限り接種を受けることを勧めたい。

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