三春町出身の登山家、故田部井淳子さんの生涯をモデルにした映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」の特別試写会は7日、郡山市の郡山テアトルで開かれた。主演の吉永小百合さん、阪本順治監督が舞台あいさつに立ち、田部井さんや作品への思いを語った。
主人公多部純子を演じた吉永さんは、田部井さんとの交流や本県ロケ、共演者とのエピソードなどを明かし「(田部井さんは)どんな時でも一歩一歩前進し、エベレストや世界の山を登頂された。演じることができたのも田部井さんのご家族の応援があったから」と感謝した。その上で「福島の皆さんに見ていただけることに胸がいっぱい。家族や友達に映画の様子を伝えていただければ」と呼びかけた。
阪本監督は「吉永さんの演技を見て『田部井さんはこういう方だったのでは』という錯覚を覚えた。ぜひ劇場で俳優陣の素晴らしい演技と風景、音響を楽しんでほしい」と語った。
特別試写会は福島民友新聞創刊130周年・郡山テアトル創業70周年記念事業として開催。一般公募による約250人が来場した。福島民友新聞社の野崎広一郎社長があいさつし、2人に花束を手渡した。
映画は田部井さんのエッセー「人生、山あり”時々”谷あり」(潮出版社)を基に、女性として初のエベレスト登頂を果たした登山家の挑戦と支えた人々との絆を描いている。31日に全国公開され、県内では郡山テアトルなどで上映される。