福島県南会津町など本県を含む4県の山間部で昨年4~5月、住宅に侵入し現金を奪ったなどとして、強盗致傷などの罪に問われた、いずれもベトナム国籍で群馬県藤岡市、無職の男(27)と住所不定、無職の男(24)の裁判員裁判初公判が8日、福島地裁(島田環裁判長)で開かれた。24歳男は起訴内容を認め、27歳男の弁護側は強盗致傷罪などの成立は争わないとした上で、南会津町の事件で奪った現金の額など起訴内容の一部を否認した。
27歳男は冒頭「なめてんじゃねえぞ」などと叫び続けて退廷を命じられ、そのまま審理が進んだ。
検察側は冒頭陳述で、技能実習生として入国した2人は、それぞれ実習先から逃げ出し、昨年4月ごろに知人を通じて知り合ったと説明。金欲しさから県をまたいで強盗を繰り返したと指摘した。
27歳男の弁護側は、過酷な実習先で経済的に追い詰められていたとして情状酌量を求めた。南会津町の事件で奪った現金の額は、検察側が主張する2万円ではなく1万8000円とした。
起訴状によると2人は共謀し昨年4月30日~5月14日、栃木県日光市、長野県松本市、群馬県安中市、南会津町の住宅計4軒に押し入り、刃物で脅して住人の手足を縛り、現金計約27万円などを奪ったとしている。松本市と南会津町の住人に対しては縛った際に手首などに7日間のけがをさせた。奪ったキャッシュカードで40万円を引き落とした罪でも起訴されている。
公判では、9、14の両日に栃木県の事件、15、17の両日に長野、群馬、福島の3県の事件を審理する。