いわき市で重症心身障害児者らを対象としたデイサービス事業を展開するNPO法人ままはーとは本年度、国の補助事業として、18歳以上の重症心身障害者らの社会参加、生きがいづくりのための事業に取り組む。障害者らに牛乳パックを材料とした和紙などを制作してもらい将来的にその販売を目指す事業で、一連の作業の中で社会とのつながりを実感してもらうことを目的としている。
同法人が市内で運営する二つの事業所を利用する13人が取り組む。牛乳パックをカッターで切ったり紙すきをしたり、それぞれ自分ができる範囲の作業を担当して製品を完成させる。今後はバスソルトなど幅広い製品を手がける予定だ。
特別支援学校を卒業した18歳以上の重症心身障害者は社会とのつながりが少なく、学習の機会も限られているため、厚生労働省は重症心身障害者に生涯学習の機会を提供する事業を公募。同法人は利用者の制作活動を生涯学習の一環と位置づけ、国の事業に採択された。
材料や機材費に
補助額は678万3千円。材料費などに充てるほか、利用者の中には医療的なケアが必要で意思表示が難しい人もいることから、意思確認に必要なタブレットやパソコンなどの購入費にも充てる。来年3月に報告書をまとめ、成果を広く発信する方針。同法人の笠間真紀理事長(49)は「利用者に自分が地域に必要とされていることを感じてもらえるような活動にしていきたい」と話した。
