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噴火...開拓一家の苦闘 三浦綾子著「泥流地帯」正・続

2025/10/25 09:00

  • 有料記事
(新潮文庫・上巻1045円、下巻935円)

 著者は、人はどう生きるべきかをテーマに物語を書き続けた。本書も1926年、北海道で起きた十勝岳噴火を背景に、開拓地で困難の中を生きる人々を描いた大河小説である。  上富良野の開拓村、入植3代目の耕作の少年期から物語は始まる。父を亡くし、母も働きに出た一家は貧しく、成績優秀な耕作は中学進学を諦める。近隣の家も事情は同じで、耕作の幼なじみは街へ身売りされる。  そんな苦境を切り開くように耕作たち...

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