福島県双葉町新山高万迫(たかまんざく)の国道6号上下線にある駐車帯で、不法投棄が相次いでいる。管理する磐城国道事務所原町維持出張所によると、5日までに本年度5回目となる、まとまった廃棄物の不法投棄を確認した。これまでに捨てられた物の中には放射線量の高い物も含まれていた。出張所は悪質性が高いとして双葉署浪江分庁舎に被害を相談、さらに続く場合には駐車帯の封鎖も検討している。
出張所によると、直近では4日に上り線で車のバッテリーや芳香剤、ミニディスク(MD)、下り線では脚立のような金属製の廃棄物が見つかった。本年度は5月に最初の不法投棄を確認して以降、石油ストーブやオイル缶、パイプ、角材11本、電気コード、作業靴などが捨てられていた。
現地は東京電力福島第1原事故で一時は帰還困難区域となった。避難指示解除後も作業員の安全のため、出張所は第1原発周辺地域の廃棄物を撤去する際には空間放射線量を測定し、安全性を確認している。しかし、中には放射線量が高いため回収を断念、放置するしかない物もあるという。
出張所が管理する新地町から広野町までの国道6号沿いで、まとまった廃棄物の不法投棄が確認されているのは双葉町のみ。駐車帯が広く、通行帯から見えづらい状況が不法投棄が相次ぐ要因とみている。
現場封鎖を検討
現在は出張所と双葉署浪江分庁舎との連名で警告板を立てているほか、下り線には駐車帯を狭くするバリケードを張って対策を取ってきた。ただ効果は薄く、出張所は今後、上下線ともにバリケードを張って駐車帯のスペースを狭くした上で、通行帯から駐車する車の状況を確認しやすくする考えだ。さらに続く場合には封鎖も検討している。
国道6号沿いでは、NPO法人ハッピーロードネット(広野町)が主催し、11月にいわき市から新地町までの区間で、地域住民や事業者による清掃ボランティアが行われたばかり。双葉町で自主的に沿道のごみ拾いをしている男性(75)は「住民たちが国道6号をきれいにしようと取り組んでいる中で、悪質な不法投棄は許しがたい行為だ」と語り、パトロールの強化なども求めた。
