極めて薄い和紙から耐久性抜群の畳表を作り、全国に出荷している。見た目はイ草を使った製品との違いを見つけることが難しいほどだ。「『本当に和紙でできているの?』と、よく驚かれます」。菅野友博社長(50)は技術力の高さに胸を張る。
製品からイ草の香りはしないが「イ草にはない付加価値がある」と菅野社長が語るように、高い機能性を持っている。摩耗による耐久性はイ草製の約3倍で、日焼けによる変色もしにくく、抗菌性にも優れている。和紙を原料としているため、54もの色柄がある。
親会社は住宅用建材などの大手メーカー「DAIKEN」(大阪市)。畳業界では「和紙製畳といえば、DAIKENグループの製品」と言える存在だ。
会津大建加工が畳表の製造を始めたのは2012年から。現在は同じ子会社「ダイタック」(岡山市)とともに生産し、供給している。
工場では特注の和紙を原料に、ねん糸機と呼ばれる機械で紙をよじり、ひも状のこよりにしていく。それを樹脂でコーティングして熱加工することで強度を持たせ、最後は織り機で畳表を完成させる。
機能性につながる理由は、高いねん糸技術だ。こよりの中は空洞でストロー状になっている。この空洞が柔らかさ、吸湿や放湿の秘密でもある。菅野社長は「『ずっとここちいいね』がグループのテーマ。安心できるのが畳で、和紙製畳の認知度を上げていきたい」と意気込む。
◇所在地 会津若松市神指町南四合字幕内西350
◇設立 1965年
◇従業員数 92人
◇勤務形態 フルタイム正社員。製造現場は24時間の3交代
◇事業内容 畳表の製造
◇公式サイト https://www.daiken.jp/sustainability/sitereport/aizu.html
