東京商工リサーチが5日発表した2024年上半期(1~6月)の全国の企業倒産件数(負債額1千万円以上)は、前年同期比22・0%増の4931件で、物価高などを背景に14年(5073件)以来10年ぶりの高い水準となった。増加は3年連続。うち人手不足を要因とする倒産は約2・2倍の145件に達し、調査を始めた13年以降の上半期で最多だった。
仕入れコスト増加など物価高が要因の倒産は23・4%増の374件だった。調査担当者は「円安進行で価格転嫁が追いつかない企業はさらに増えそうだ」と分析。年間で1万件を突破する可能性もある。株式市場では円安を追い風に大企業製造業がけん引役となり、日経平均株価も5日に史上最高値を一時更新しているが、倒産は上半期の件数の88・4%を従業員10人未満の企業が占め、明暗が浮き彫りとなった。
産業別では、時間外労働の規制強化による「24年問題」が直撃した建設業や運輸業の件数増加が目立った。建設業は資材の高騰もあり20・6%増の947件だった。