【ロンドン共同】英国で14年ぶりに政権交代を実現させた労働党のスターマー首相による新政権が5日、始動した。保守党が主導した2020年の欧州連合(EU)離脱後に冷え込んだ欧州との関係修復を狙い、軍事面の協力を拡大させる考えだ。英国はウクライナへの主要な武器供与国で、新政権になっても支援は揺るがないとしている。
9~11日にワシントンで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議がスターマー氏の外交デビューとなる。
EU離脱後の英国は対中抑止を念頭にインド太平洋地域への影響力拡大を進めてきた。だがロシアによるウクライナ侵攻で、アジアよりも欧州で安全保障協力を進めるべきだとの機運が高まった。新政権はEUとの協調路線を取り、安保に関する新協定も模索する。
EU離脱によって通関手続きが煩雑になるなど通商への悪影響が出ており、有権者の保守党批判につながった。労働党は離脱の後遺症を和らげるため、経済面でEUとの貿易や投資環境の改善を探る。