「危険な思想家」など戦後思想を巡る著作で知られた評論家で哲学者の山田宗睦(やまだ・むねむつ)さんが6月17日、死去した。99歳。山口県出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は長男麦(ばく)さん。
京都大卒。1959年、著書「戦後思想史」で評論活動に入り、雑誌「思想の科学」編集長を務めた。65年に刊行した「危険な思想家」は、戦後民主主義を否定する人物として三島由紀夫、江藤淳、石原慎太郎の各氏らを痛烈に批判し、議論を呼んだ。
桃山学院大教授に就任したが、大学紛争が激化する中、政府の大学への関与を強める大学法案の強行採決に抗議して辞任。その後、関東学院大教授も務めた。