旅客機用の燃料不足で緊急対策 輸送船を増強、運転手確保へ

07/16 23:42

 新千歳空港=5月、北海道千歳市

 旅客機用の燃料が全国各地の空港で不足していることを受け、経済産業省と国土交通省は16日、官民合同の会合を開き、輸送船やタンクローリーの増強を柱とした緊急対策をまとめた。船と貨物車の運転手確保により輸送力を強化するほか、燃料の生産と近隣諸国からの輸入を増やす。急拡大するインバウンド(訪日客)需要を取り逃さないよう解消を急ぐが、即効性には疑問符が付きそうだ。

 輸送船は海外輸送用を国内向けに回すのに加え、一度の運搬量を高める。事前に空港ごとの増便情報を石油元売り会社と共有し、供給計画に反映する仕組みも整える。

 中長期的な取り組みとして、製油所や空港での燃料タンク増設、船の大型化などを目指す方針も確認した。官民会合には民間から全日本空輸と日本航空、主要空港の運営会社、ENEOS(エネオス)や出光興産などの石油元売り会社が参加した。

 旅客機用燃料はコロナ禍の収束による訪日客の回復で需要が増加。一方、石油元売り各社の製油所の統廃合に伴い輸送距離が延びたことなどから供給が追い付いていない。

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