36人が死亡した2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件から5年となった18日、現場の第1スタジオ跡地(京都市伏見区)で追悼式が開かれた。参列した遺族や社員ら約140人が犠牲者に祈りをささげた。同社が公開した弔辞で、社員は「5年たった今でも、大切な仲間を亡くしたという喪失感が変わらず胸の内にあります」としのんだ。事件では殺人罪などに問われた青葉真司被告(46)に一審で死刑判決が言い渡されたが、遺族や社員らの悲しみは今も癒えていない。
同社は、八田英明社長が追悼式で読んだ文章も発表。「仲間を亡くした無念さ、憤りは相当なものでした」とした上で、会社を守り、犠牲者の生きざまや作品を引き継ぐため「スタッフが目を真っ赤にして机に向かっていた」と振り返った。事件後に制作した作品名を挙げ「今後もみんなの志を胸に作品をつくり続け、届けてまいります」と決意を示した。
社員は弔辞で「この5年間、私たちは真摯にものづくりに打ち込んできました。私たちなりの弔いになると信じているからです」などとつづった。