中古車販売大手ビッグモーター(BM)の保険金不正請求を巡り、旧BMから訴訟対応などを引き継いだ「BALM(バーム)」が、不正の有無に関する全件調査を断念すると損害保険各社に通知していたことが22日、分かった。現時点で少なくとも約6万6千件に上る不正のうち、被害の確定は1700件にとどまっていることも判明。不正件数は今後も増えるとみられるが、当事者が調査を放棄したことにより全容解明が遠のく恐れが出てきた。
バームは22日、全件調査を終了したことを認め、裁判所の調停を通じて保険金の返金範囲などを解決するとして、損保各社と協議を始めたと表明した。外部有識者による調査で「事故以前の損傷か、不適切行為によるものか判断できないケースも相当数見受けられる」ためと主張した。
不正の調査は、事故車両の修理を旧BMにあっせんしていた損害保険ジャパンなどの損保大手4社と、バームがそれぞれ実施。損保側は過去数年分の契約、4社で計約23万6千件を調査対象としている。