【パリ共同】世界反ドーピング機関(WADA)のバンカ委員長は25日、パリ五輪のメインプレスセンターで記者会見し、中国の競泳23選手のドーピング疑惑でWADAへの批判を続ける米国反ドーピング機関(USADA)など米国側の対応について「明らかにシステムの調和を乱そうとしている」と非難した。
2021年初頭に中国勢がドーピング検査で陽性となりながら東京五輪出場が許可されて物議を醸し、WADAは独立検察官による調査で不正はなかったとの中間報告書を9日に公表した。国際オリンピック委員会(IOC)が34年ソルトレークシティー冬季五輪の開催都市契約で米国側がWADAを十分に尊重しない場合は契約解除できるよう文言を修正したが、USADAは反発している。
バンカ氏はこの問題でWADAの対応が疑問視されていることを受け「(問題が)政治化されている。非常に不当な批判を受けている」とした。