【パリ共同】パリ五輪のボクシング女子で「性別」を巡る騒動が起きている。66キロ級のイマネ・ヘリフ(アルジェリア)は昨年の世界選手権では性別適格検査で不合格となりながら今大会は出場が認められ、1日に初戦となる2回戦で勝利。AP通信などによると、相手のアンジェラ・カリニ(イタリア)はわずか46秒で涙の棄権となる異例の事態となった。
開始早々、パンチを浴びたカリニが自らコーナーに戻り、敗退が決まった。「鼻に強い痛みを感じた。続けられなかった」と試合後にコメントし「自分のために『ストップ』と言った。自分の命を守らなければならなかった」とも語った。
一方、3年前の東京五輪にも出場したヘリフは「難しい初戦だった。パリではメダルが欲しい」と意欲を口にした。
国際オリンピック委員会(IOC)は当該の世界選手権を主催した国際ボクシング協会(IBA)と対立し、組織運営などの問題を踏まえて統括団体としての承認を取り消した。パリ五輪はIBAではなく、IOC管轄下で実施しているため、こうした問題が複雑化している現状がある。