長崎市の鈴木史朗市長は8日、「原爆の日」の9日に営む平和祈念式典にイスラエルを招待しないとした対応を巡り、市役所で取材に応じ「判断に変更はない」と表明した。「あくまでも政治的理由でなく、不測の事態発生のリスクなどを総合的に勘案した」と理由を述べた。エマニュエル駐日米大使が市長に宛て「政治的な決定で、安全とは無関係だ」と反論する書簡を6日に送っていたことも分かった。在日米大使館が共同通信に明らかにした。
イスラエルを巡っては、日本を除くG7各国とEUが7月19日付で、不招待への懸念を表明する書簡を市に送付し、エマニュエル大使やロングボトム駐日英大使は7日までに、式典欠席の意向を明らかにした。
鈴木市長は取材に「平穏かつ厳粛な雰囲気の下、円滑に式典を実施したい」と説明。懸念を表明した国の大使館などに、不招待の理由を口頭で説明したとし「まだ十分にご理解いただけていないという結果だ」と話した。
林芳正官房長官は8日の記者会見で「式典は長崎市主催であり、政府としてコメントする立場にない」と述べた。