日本新聞協会は30日、新聞配達や販売所にまつわる心温まる話などをまとめた「第31回新聞配達に関するエッセーコンテスト」の受賞作品を発表した。2900編の応募があり、大学生・社会人部門の最優秀賞は青森県東北町の宅石とみ子さん(65)の「私を励ましてくれた贈り物」に決まった。
新聞配達をしていた高校生の時、集金業務で訪問した男性から新聞店に小包が届いたエピソードを紹介。目覚まし時計やお金と同封された手紙には「卒業まで配達を頑張ると話していた女子高生に渡してほしい」と励ましの言葉がつづられていた。手紙と当時の思い出は、社会に出てからも自身を支えてくれた大切な宝物で、今も深く感謝していると記した。
小・中・高校生部門の最優秀賞は、金沢市の小学3年杉本彩樹さん(9)の「新聞が読みたい」が選ばれた。能登半島地震で被災した95歳の曽祖母が読みたがっていた新聞を、足場の悪い中、毎朝届けてくれる配達員に感謝の思いをつづった。
その他、各部門ごとに審査員特別賞と優秀賞が1編ずつ、入選が7編ずつ選ばれた。