病気により現役中、27歳の若さで急逝した大相撲の元横綱玉の海の遺品などを集めた「資料室」(仮称)を、郷里の愛知県蒲郡市に開場する準備が1日までに進んでいる。高齢になった中学同級生が中心の市民グループ「第51代横綱玉の海を愛する会」による手作り。全国でも数少ない力士個人の資料展示施設は11日の横綱命日に仮オープンする予定だ。
市内の温泉街にあるホテルの一室。80平方メートルほどのスペースで工具を手にするのは「愛する会」の会長で建築業の荒島伸好さん(80)だ。中学当時に玉の海と柔道部、相撲部で同期だった。「記念館がある横綱もいるのに、玉の海にないのは悔しい。すごくいい人間だった彼のためにも」と一念発起した。
会員の人脈で集めた昇進時の横綱推挙状、手形、明るい人柄をしのばせる数々の写真、1971年に死去した時に切ったまげ…。「愛する会」の会員であるホテル経営者の好意から部屋を確保できた。これまで資料は市の博物館や公民館で臨時の展示をしたことはあったが、常設展示となる。無料で公開する。