【リマ共同】石破茂首相は15日午後(日本時間16日午前)、訪問先の南米ペルーの首都リマで、中国の習近平国家主席と初会談した。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、中国が全面停止してきた日本産水産物の輸入を再開するとの合意を着実に履行すると申し合わせた。日中の共通利益を拡大する「戦略的互恵関係」の包括的な推進と、建設的かつ安定的な関係を構築する方向性を確認。首相は中国の軍事活動活発化に関し「極めて憂慮している」と伝えた。
中国トップの習氏が輸入再開合意に言及したことで、中国側の具体的な検討が加速する可能性がある。日本の首相と習氏の会談は、昨年11月に岸田文雄前首相が行って以来、約1年ぶり。今回の会談は約35分間だった。
会談で習氏は「中日関係は改善と発展という重要な段階にある。戦略的互恵関係の前進に向け共に努力する用意がある」と述べ、意思疎通と協力の強化を表明した。首相は「課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていく」と訴えた。
両首脳は、今後も会談を重ねる方針で一致した。