米関税、日本の農産品輸出に逆風 トランプ政権の動向注視

11/25 16:25

 トランプ次期米大統領(ロイター=共同)

 トランプ次期米大統領は先の大統領選で、米国への全ての輸入品に10~20%の関税を課す方針を掲げたため、日本が重視する農林水産物・食品の輸出に逆風になる可能性がある。日本が国内産業に影響が大きい自動車関税の適用除外を求めた場合、交渉の取引として米国産農産品の輸入関税のさらなる削減や検疫の優遇を迫られるとの指摘もある。日本側はトランプ次期政権の今後の動向を注視している。

 日本の農林水産物・食品の輸出額は、2023年は中国が首位で香港、米国と続く。米国向けの品目別ではブリやアルコール飲料、緑茶のほか、ホタテや牛肉などが上位に入る。中国による日本産水産物の禁輸が続く中、24年1~9月の米国への輸出額は国・地域別で首位となり、日本にとって重要な市場だ。

 日米貿易協定は20年に発効した。環太平洋連携協定(TPP)を離脱した当時のトランプ政権が対日貿易赤字を問題視し、農産物輸出の拡大を図ろうと日本に締結を要求。日本は米国産の牛肉や豚肉、チーズなどの品目で関税の引き下げを受け入れた。

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