政府主催の全国知事会議が25日、首相官邸で開かれ、全国知事会長の村井嘉浩宮城県知事は「年収の壁」の引き上げで地方税収が減少する場合、全額を国が恒久的な財源で穴埋めするよう、石破茂首相に求めた。首相は「しわ寄せをどこかが受けるということではまずい。丁寧に議論していきたい」と述べるにとどめた。
税収が減って、歳出を見直さなければ自治体は大きな財源不足に陥る。村井氏は、年収の壁の引き上げは「所得が上がり、労働力不足の解消につながる施策で知事会としても賛成」と述べた上で「地方の財源に大きな穴があいてしまっては意味がない」と強調した。
官邸での会議に先立ち、知事会は東京都内で会合を開催。出席した知事からは、国に補填を求める意見が相次いだ。財源不足分は国と地方が折半で負担するルールがあるが、長崎幸太郎山梨県知事は「全額(地方負担の混ざらない)真水での補填を求めていくべきだ」と訴えた。