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「算数の先生」は100歳 がん完治、面白さ伝え生涯現役

2025/09/30 05:30

 取材に応じる片桐重男さん=9日、東京都国分寺市

 東京都国分寺市が主催する小学6年生のための算数教室で子どもたちに語りかけるのは「100歳の先生」の片桐重男さんだ。算数の面白さを伝える情熱を支えに生涯現役を貫く。

 教室は数字や数式の楽しさや不思議さを授業以外で知ってもらおうと1990年代にスタート。毎回50人以上が集まる。

 片桐さんは25(大正14)年、現在の東京都新宿区で生まれた。東京高等師範学校(現・筑波大)を卒業し、都立高の数学教諭などを経て私大教授を定年退職した。

 テキストはほぼ自作。多角形の面積計算法や立体の辺や面を数字で表すことなど、小学生の興味を引きやすく理解もできる問題に知恵を絞る。「子どもに分かる言葉で説明するのは難しいけど楽しい」と笑みをこぼす。

 「よく考えてごらん」と問いかけ、子どもたちが頭を抱えた後「分かった」と歓声を上げる瞬間が何よりの喜びという。社会人や高校生になった教え子が訪ねてくることも。「算数の面白さに気づきました、と言われるとうれしくてね」とはにかむ。

 80代でがんを患ったが完治。「体が動く限り続けたい」

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