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中島健人、SNSトラブル題材のドラマ主演に意義 “賛否”受け止めた1年「取捨選択をできるようになりました」

07/18 12:00

  • エンタメ総合
ドラマ8『しょせん他人事ですから 〜とある弁護士の本音の仕事〜』に主演する中島健人 (C)「しょせん他人事ですから」製作委員会

俳優・アーティストとして活動する中島健人が主演するテレ東8『しょせん他人事(ひとごと)ですから ~とある弁護士の本音の仕事~』(毎週金曜 後8:00)が19日よりスタートする。3月末にグループを卒業、ソロで再出発して一発目の作品でインターネットやSNSトラブルに特化した弁護士役に挑戦。この1年、自身もネット上で「賛否」を受け止めてきたという中島が“タイムリー”だったと位置づける今作から感じたこととは。

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 累計210万部を超えるコミック『しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~』(原作:左藤真通/作画:富士屋カツヒト/監修:清水陽平/白泉社「黒蜜」連載)を実写化。笑顔はかわいいが言動はまったくかわいくない変わり者の弁護士・保田理(やすだ・おさむ/中島)が、訪れる相談者を「しょせんは他人事じゃん?」と突き放しながらも、ネット炎上、SNSトラブル、誹謗中傷問題を彼なりの信念のもとスカッと爽快に、ダークに解決していく。

――再始動後初のドラマですが、

一発目にふさわしい題材のドラマになったのではないか。僕自身、この1年、アイドルとしていろいろな言葉を全身で受け止めてきたので、今このドラマをやることは深いメッセージを自分としても込められるのではないかと思います。

――会見ではご自身の経験をフルに活かすことができるといったお話もありました。

アイドルの中島健人がいて、(キタニタツヤとの音楽ユニット)GEMNの中島健人がいて、俳優の中島健人もいたりして…いろいろな自分を過ごす中で、アイドルという立ち位置は、言葉の柔らかい部分も、尖った言葉も、賛否を受け止めながら人生を歩まないといけないんじゃないかと思います。この仕事を16年、そのうち前のグループで12年仕事をしてきましたが、その賛否が起こらなかった時って、きっとほぼない。必ず賛があって否があって繰り返しを経験していますし、個人的にはこの1年はその賛否を深く濃く経験した。正直、一寸先は棘のような状況を、この1年は強く感じたんです。だからこのドラマの台本を読み『そうだよね』とか『やっぱり、こう思っているよね』と共感しました。そして軽はずみに発信してしまった言葉が、意外とその人たちに対して悲しい終わり方をもたらすことも、このドラマでは描かれている。。ぜひSNSと優しい関わり方を、読者の方も視聴者の方もしていただけたらいいな…と心から思います。心から。

■SNSを見過ぎてしまう“スクロール病”への警鐘「…焦げちゃうよ、その指先」

――誹謗中傷って、他人をうらましい、妬ましいと思う心から来てしまうのではないかと思います。中島さんはそういう気持ちを他者に抱かないため、自分の心を穏やかに保とうとする時にやってらっしゃることってありますか。

いや、無理ですよ。やっぱり自分のなかに棘はあるし、バラにだって棘はあるじゃないですか。だから無理なんだよね。棘のないバラってない。だから、そこに触らないことなんじゃないかな。むしろそういうものを目に入れない、見ない方がいいと思う。だから、デジタルデトックスみたいな言葉も生まれているし、僕はいろんな情報を見すぎることを“スクロール病”と勝手に言っているんですけど…焦げちゃうよ、その指先。いろんな嘘も撫でているんですよ、指先で。気づいたら焦げている。だったらこう、スクロールすらしない方がいいなと思う。でも、僕も本当にインスタとかが大好きだから、リールだけは止められないんですけどね(笑)。でも、やっぱりちょっと変なものがあるなって思ったらすぐに見ない。読んじゃう前にもうSNSを見ない。あとは逆に自分と同じ意見を見たりします。
SNSは不健康になるために見るものじゃない。確かにワクチンのように最初にウィルスを入れて、身体を慣らすという考え方もあるのだけど、それをやりすぎている人がこの世の中は今、多い気がします。ネガティブな言葉は正直今ワクチンになれていない気がします。だからネガティブな言葉が本当にダメな人は見なくていいと思う。林修先生は両方の意見も見るって言っていてそれはカッコいいなとも思うのですけど(笑)ダメな人は見ない方がいい。永久に足を浸かって沼になるのだったら見ない方がいい。僕はもう、そういう取捨選択をできるようになりました。自分にとって余計なものは見なくなりましたね。

――良いものは見て、自分に活かすというスタンスですか。

良いものは活かしますね。愛のある言葉、愛のあるちょっとした指摘みたいのもあるじゃないですか。歌唱、ダンス、演技をこうした方がいいみたいな。それぐらいはいいですけど、拳に対して拳で返すという社会じゃない。グローブすらつける気にもならないですね。

――台本を読んでいると、SNSに関しても、ダメなものは見ない方がいい、とわかっていても『でもやっちゃう』『でも見ちゃう』みたいな心情が描かれています

限界が来たらもうSNSは消してください。無理して見るものじゃないし、自分を豊かにするもの。だから、優しく扱えなくなるなって思ったら1度消した方がいいと思います。見る気持ち、見たくなる気持ちってもう死ぬほどわかる。そういうものほど、見たくなるんだよ。奥をどんどん見たくなる。でも、気づいたら朝を迎えている。だからこそ、いい付き合いをしていった方がいい。一度、限界点が来たら、SNSは閉じた方がいい。閉じるだけじゃなくて、中毒性があるなら、消した方がいいかもしれない。時間が経ったら、また戻ってくればいいと思うし、僕はこのドラマでそういうこともまた改めて学んだ気がします。SNS社会だから正しい使い方、良い付き合い方をしてほしい。自分の感情は迷惑のない範囲で叫ぶのは別にいいと思う。でも、自分は自分、人は人っていう基本的概念、理念はちゃんと持っていてほしいと思います。

■“しょせん他人事”フラットでドライな主人公は教えてくれたこと「俳優としても転機」

――今回の役柄についてもうかがいたいです。保田は、一見ドライながら筋の通ったキャラクターですが、保田の魅力を中島さんはどう捉えていますか。

僕は物事に対して入れ込みすぎるというか、注力しすぎる、考えすぎちゃう癖があるんです。そこでちょっと空回ったりしちゃったり、思い悩んだりしちゃったりするタイプ。でも保田理弁護士は、そんなこともあんなことも全部他人事じゃん?と、何事にもこう考えすぎないで、フラットに接して人生を生きていく方が楽しいでしょ、“自分は自分”ということを教えてくれた役柄です。手のひらの中の社会に惑わされずに、自分は自分だという人生を、ちゃんとこう生き抜かせてくれる。大事なことを教えてくれた。僕にとっては、このタイミングでこの役にたどり着けたことは、俳優としても転機だと思ったし、保田のドライでポップな性格は、この芸能界という場所を生き抜く上で必要なメンタルなのかもしれない。

――ドライとポップは一見反対のようにも感じますが、演じる上で保田のチャーミングさはどのように演じていらっしゃいますか。

保田は口調がすごく優しい。柔らかい口調できついこと言っています。 だから視聴者の方に対しては不思議な弁護士に見られると思います。こんな弁護士いるのか。多分世界のどっかにいるんじゃないかと信じて、この保田弁護士を演じて作っています。個人的にはこの役はすごく気に入っているけど…本当にセリフの量が半端ないので、僕のドラマ人生の中で最もセリフ量が多いドラマです。毎日頭がそれでもうヒィヒィ言ってますね。

――なにかその苦労のなかでエピソードはありますか。

1日1日のスケジュールがもうかなり膨大なセリフ量なので帰ったらぐったりして台本を読めないんですよ。当日の朝に覚えています。結構こういったことは多いですが、さすがにこの間、18ページぐらいのシーンがあったので、恥ずかしがらずに言いますけど、前夜に7時間ぐらいかけて覚えました(笑)それぐらいかけないと覚えられない量。そのくらい保田は毎回しゃべっています。リーガルドラマの洗礼を浴びていて、こんなきついんだと、想像よりはるかに上をいっています。ただ、SNSはみなさんにとって身近なもの。刑事事件や殺人を特に取り扱っているようなエピソードはまだないので、どっちかっていうと民事に近い。そういうエピソードを扱っているからこそ、台本を結構読んでいるからか、友達との会話だったりSNSについて会話するときに、僕のレスが早くなりました。『それは情報開示請求の対象だね』とか(笑)身近な中で必要な知識をこの台本でたくさん勉強させていただいてるので、今の僕はSNSに対して、超強いです。いつでも、開示請求できます(笑)

――撮影で楽しかったシーンはありますか。

第1話では法廷闘争のシーンがあるんですよ。実際の裁判って今だと結構リモートで行われるぐらい地味な感じなのですが、人々が想像する裁判って、ドラマのなかのように派手。被告人の周りを歩いたり…みたいなものを想像する。その妄想シーンがあるんですが、想像の100倍ぐらい派手な法廷闘争の妄想に仕上がっています。僕はビームを出すんですけど『ドラゴンボール』を意識しています。あと僕は大好きな『遊戯王』。テレ東さんにはずっとお世話になってきましたが、ブルーアイズホワイトドラゴンの技名『滅びのバーストストリーム』が僕の手から出ます。テレ東さんの僕の1本目のドラマで『遊戯王』の要素を味わっていただけるのではないでしょうか(笑)。CGのシーンもちょこちょこあるのですが、楽しくて声枯れちゃいました。結構本気でやりすぎて声枯れて翌日のレコーディングダメになりました。 このドラマには責任を取ってもらいます(笑)それくらい気合が入っていて面白いシーンになっています。

■過去の共演者がゲストで続々と登場「メモリアルな夏を感じています」

――ドラマでは保田弁護士が『しょせん他人事』とSNSトラブル案件に向き合っていきますけど、中島さんご自身のモットーは?

“思い立ったが吉日”。やっぱり『まだいっか』が5年、10年後になることがあるんです。『まだいっか』が1ヶ月後になるより、1年先になるより、今日であった方がよくない?って。後悔の1ヶ月、1年過ごすよりも、今やって失敗して成功につなげた方がいいと思うし、今やって成功した方がいいと思う。僕は思い立ったが吉日タイプ。人生は1回しかないから。やっぱり後悔のない日常を日々過ごしていきたい。だから今、すごく毎日楽しいです。ポジティブなストレスしかないかな。1回1回チャレンジしていくことは、今の自分にとってすごく清々しい気持ちになれる。すごく充実した時間を過ごさせていただいています。

――大変充実した日々を贈られていますね。再始動してファンの方に伝えたい思いとかメッセージがあったらお願いしてます。

本当に皆さんのポジティブな言葉は僕の中ですごく栄養になっているし、元気になる言葉は皆さんから日々いただいているので、その恩返しができたらいいな。この4月から新しい環境に身を置いて、 正直、驚いている方もいらっしゃると思いますけど…新しいことを常にこうやってチャレンジしたい。その先に切り開かれる新境地みたいなものに、一緒にファンの皆さんと、U:nity(ユニティー)の皆さんと飛び込んでいけたらなと思っています。音楽面も色々走り出しましたけど、俳優面ではこのドラマが1発目であり、痛快でポップで元気になる作品だと思うので、このドラマと夏は走り抜けて楽しんでいこうよっていうメッセージを伝えたいな。SNSなどでも日々皆さんからの元気な言葉を本当に僕は吸収しているし、よりそれを、みんなで一致団結して大きなものにできたらいいな。いい夏にしようぜって(笑)

――最後にご自身の役についての見どころ、注目ポイントあれば教えてください。

注目ポイントとしては、本当に意図的じゃないのかな?毎話メモリアルメンツ勢ぞろい。さっき聞いた次のエピソードのゲストも15年前に共演している方で、1話のゲストも16年前に共演しています。聖ちゃんも7年前に共演していて、野村周平くんと平祐奈ちゃんも5年ぶり、7年ぶり…みんなどこかで共演しています。笠原秀幸くんも、11年ぶり。小手伸也さんだけ2ヶ月ぶり(笑)。志田未来さんは共演したことがないんですけど、1話で本当に志田さんがめちゃくちゃいい味を出されているんですよ。僕はもう10代の頃から女優として尊敬していた方だったので、今回共演することがすごくうれしかったです。僕は彼女と16年前の堀越高校の高校説明見学会で会っていて、その時に一瞥(べつ)だけしてくれて、多分認知してくれたみたい。中学3年生の当時、僕はジュニアだったので『探偵学園Q』の人だ!って、こちらとしては思うんですよ…。でも、お互いにもう知っていたから、16年ぶりの再会だねって。その方が1話のゲストってことは、本当になんかうれしくて、メモリアルな夏を感じています。現場でも毎回『久しぶり!』って言っているんです。青春を想起させてくれるようで、また新たな青春がこの年齢から始まるんだなと感じさせてくれるようなキャスティング。僕の思い出のアルバムをめくっているような、そういう感覚にもなっていただけたらいいなと思います。

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