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ノブコブ吉村「日本のお笑いが世界一面白い」 韓国で爆笑かっさらう「国境を飛び越えちゃいました」

09/05 11:43

  • エンタメ総合
『御馬鹿会議presents 東京お笑いライブ in Korea』の模様

 お笑いコンビ・平成ノブシコブシの吉村崇が企画した、お笑いライブ『御馬鹿会議presents 東京お笑いライブ in Korea』が1日、韓国ソウルの繁華街・弘大の劇場「メタコメディクラブ弘大」で開催された。ネタやコーナー企画を行い、言語や国籍の壁を越えた大盛り上がりのライブとなった。

【写真】日本の笑いは世界一!韓国で爆笑をかっさらった吉村

 「御馬鹿会議」は、吉村が主宰するオンラインサロン。今回のライブはこの「御馬鹿会議」内で計画され、「海外で日本のお笑いが通用するかを試したい!」という吉村の熱い思いのもとに行われた。日本代表芸人としてハイキングウォーキング、5GAP、ライス、ネルソンズ、エルフが乗り込み、韓国代表芸人としてはメタコメディクラブ所属のYoo's desk、Plus Minus、MSDが出演した。また、通訳は、韓国でのアイドル活動経験もあるブルーレディの田中凌が務めた。

 これまで日本の芸人が海外でネタを披露する際は、モニターに同時字幕を表示する形式が一般的だったが、今回は吉村の発案により、事前に韓国語の声を収録したものを流す「吹き替え」という手法が採用された。トップバッターのネルソンズのコントでは、芸人たちの動きに合わせて韓国語の吹き替え音声が流れたが、この手法が見事に成功。ボケのたびに観客は手を叩いて大笑いし、日本の笑いが韓国でも受け入れられた。

 ライブの最後に吉村が「日本のお笑いのネタはどうでしたか?また来てくれますか?」と客席に尋ねると、いっせいに「ネ!(はい)」という明るい返答が客席からかえる。これには吉村もうれしそうな表情を浮かべ「本当にお客さんが優しくて、こんなにウケると思っていなかったんで、感謝でございます。この場でもう一度やりたい、何度でもやりたい。そういう場所でございましたので、ぜひ長い付き合いをよろしくお願いいたします!」と締めくくった。

■吉村崇
――ライブ終了後の、率直な感想を教えてください。

いやー、大成功だったと思います。想像以上でしたね。吹き替えのネタがウケるかどうかの不安はあったんですけど、そこの懸念もクリアできました。たくさん悩んだかいがありました。

――韓国の劇場の雰囲気はいかがでしたか?

お客さんがピュアで、すごく良かったです。本当に笑いを楽しみに来ている感じがしました。「さあ、笑かして見ろよ」という感じではなく、しっかり観てくれて、ピュアに笑ってくれる。おかげで芸人もどんどん乗っていきました。

――ネタも企画コーナーも大盛り上がりでしたね。

それと私の平場の強さですよね(笑)。これはもう、申し訳ない。国境を飛び越えちゃいましたね。びっくりしました。

――確かに、MCの吉村さんが喋るたびに、手を叩いて大笑いしている人も多くいました。

日本よりも愛されていたかもしれませんね(笑)。

――他の日本を代表した芸人さんはいかがでしたか?

みんながそれぞれの役割を担ってくれたんですよ。ネルソンズはトップという難しいところを任せたし、エルフは努力して言葉を覚えて、漫才を披露してくれた。5GAPとハイキングウォーキングさんもめちゃくちゃウケて、しっかり繋いでくれました。あと、一番嬉しかったのはライスです。ライスは日本独特の雰囲気のあるコントで勝負したんですけど、あれがウケるなら「これは日本の笑い、かなりいけるぞ!」と自信になりましたね。

――確かに体を使ったネタだけでなく、コントも漫才もすべてのジャンルが通用していましたね。

そうですね。こりゃあ、とんでもない扉を開いちゃったかもしれませんね。

――共演した韓国の芸人さんについては、どう感じましたか。

めちゃめちゃ面白かったですね。レベルが高かったです。聞いたら、年に何回も新宿のルミネtheよしもとなどの日本の劇場に来て、ああだこうだと切磋琢磨しながら研究しているらしいんですよ。そのパワーはすごかったです。韓国はまだまだお笑いの歴史が浅いと思うので、逆に勢いがあるというか、日本の初期のお笑いや漫才をつくった人たちのような方々と、今日出会えたのかもしれないと思いました。

――企画コーナーも言語が違うのに、韓国の芸人さんと一緒にお笑いをつくれていました。

平場があんなにウケたことは、今回の副産物です。お客さんが寛容だったのもありましたが、もう少し苦戦すると思いました。これはひょっとしたら、韓国のメディアでもいけるんじゃないかというぐらいウケましたよ。日本のお笑いや日本の番組が、こっちでも通用するんじゃないかと(思った)。日本には僕よりも平場が強い人はいっぱいいますから、その人たちも余裕で通用するだろうなと夢を見ちゃうぐらい、相性が良かったと思います。

――あらためてネタについて聞きたいのですが、吹き替えにしたのは吉村さんの発案なのですか?

そうなんですよ。コロナ禍の時に、昼間は外に出られなかったじゃないですか。だから深夜に一人で散歩をしていたら、ある日「吹き替え、行けるんじゃないか」と思いついたんです。そこから3年ぐらいずーっと、国をどこにするか考えたり、どうやって笑わせるか考えたり、色んな人に相談したりしながら企画を練って、ここまで来ました。

――吹き替えという手法は、他の国でも応用できそうでしょうか。

「ひょっとしたら他の国でもできるのでは?」という思いは強くなりました。もちろん今日は、そもそも日本のお笑いが好きな方や日本語が分かっている方もいたので、そこは冷静になって分析しないといけませんが…。せっかくですから、いろんな国でやって行きたいです。今回一番大変なゼロイチを乗り越えられたので、ここからはイチを10にしていくことができると思います。

――そもそも吉村さんが、「日本のお笑いを海外に届けたい」と思うのはどうしてなのでしょうか?

「日本のお笑いが世界一面白い」という、自負があったんですよ。でも確固たる証拠がなかったから、果たしてどうなのかなと、試したくなったんです。あと、日本には面白いネタがたくさんあるんですけど、みんな大会が終わったり、一度テレビでやったりすると、そのネタをやらなくなるんですよ。使い捨てみたいになっているのがもったいないので、ネタを再利用できないかと思い、世界に出てやってみたいと思いました。

――今回、日本のお笑いやネタが世界に通用するという確証は得られましたか。

そうかもしれませんね。意外と言語の壁は、難しく考えなければすぐに超えられるのかもしれません。できない理由ばっかり考えていたような気がするので、思い切って出てしまえば、すんなり色んなものを飛び越えらえるような気がしましたね。

――それでは最後に、今後の海外進出への野望や意気込みを教えてください。

もう若くはないので、あと数年でアジアを何カ所か回って、いろんなルートを開拓します。そして夢としては、ヨーロッパも行きたいし、アメリカも行きたいし、とにかく行けるところは全部行きたい。そしてまた、韓国にも必ず来たいです。僕に残された時間はそんなに長くないですし、お金もそんなに多くないですから。いろんな方の協力を得て、いろんな方のスネをかじって(笑)。世界に進出していたいと思いますので、みなさんもご協力をお願いいたします!

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