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地球へ帰還するカプセルの高度1.8kmからの回収試験に成功しました

09/20 20:15

  • 株式会社ElevationSpace
  • 経営情報
株式会社ElevationSpace
福島県南相馬市の自治体や地元企業からの強力バックアップにより実現


高度1.8kmからカプセルを投下した瞬間

宇宙で実証・実験を行ったあと、地球に帰還可能な宇宙機を開発する株式会社ElevationSpace(代表取締役CEO:小林稜平、読み:エレベーションスペース、以下「ElevationSpace」)は、宇宙環境利用・回収プラットフォーム「ELS-R」の初号機「あおば」の回収カプセルについて、福島県南相馬市沖の海域において実施した大気圏再突入カプセルの高空落下試験(以下「本試験」)に成功したことをお知らせします。
本試験概要
試験名称:大気圏再突入カプセルの高空落下試験
試験目的:大気圏再突入カプセルの回収プロセスを確認するための試験技術を構築し、下記項目について正常に動作することを確認すること
 1. 降下中にパラシュートを放出し、パラシュートによる減速を行うこと
 2. カプセル飛行中・着水時の飛行環境データを取得すること
 3. 着水後にフローテーションバッグなど洋上回収に必要な装備が機能し、CPM が回収されること
期間:2024年9月12日~13日
場所:福島県南相馬市沖の海域

この度実施した本試験において、試験技術を構築するという当初の目的を達成し、1.については達成することができなかったものの、2.の一部、また3.については上記の項目について正常に動作することを確認しました。

シーマーカーが作動した地点へ向かう回収船


着水したカプセルおよび展開機構を回収する様子

今後の開発について
今回の試験結果を受けて、カプセルの一部の機能が期待通りに機能しないなどの技術的な課題も発生しているため、今後は原因を究明し課題部分を修正し、次回試験において全ての技術検証を完了し打ち上げに臨む所存です。

▼関連プレスリリース
宇宙から燃え尽きずに物を持ち帰る”回収カプセル”、試験用モデルにおいてパラシュート格納サイドパネル展開試験成功(2024年1月9日)
https://elevation-space.com/posts/news_20240109

宇宙から地球に物資を持ち帰る”回収カプセル”、着水衝撃試験成功(2024年5月14日)
https://elevation-space.com/posts/news_20240514

宇宙から物資を持ち帰る“地球への旅” 、人工衛星から回収カプセルを切り離す「分離衝撃試験」成功(2024年6月20日)
https://elevation-space.com/posts/news_20240620




自治体・地元企業との連携について
ElevationSpaceは、本試験を実施した福島ロボットテストフィールドが所在する南相馬市と、2023年4月に連携協定を締結しています。協定項目でもある「開発促進に向けた市内の実証場所確保」として、本試験のほか、「ELS-R」開発にあたって必要となる海上での実証試験についても調整を進めているところです。

また、南相馬市をはじめとする浜通り地域には、製造業を中心とした宇宙産業と親和性の高い企業が多数あり、こうした地元企業とものづくり面での連携を行っています。

さらに、東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業を回復するため、当該地域の新たな産業基盤の構築を目指す福島イノベーション・コースト構想推進機構(以下「福島イノベ機構」)の伴走支援の下、福島イノベ機構の「ビジネスアイデア事業化プログラム」に採択されるなど、取り組みを加速しています。

▼関連プレスリリース
宇宙スタートアップのElevationSpace、宇宙産業の一大拠点である南相馬市と人工衛星開発に係る連携協定を締結 (2023年4月28日)
https://elevation-space.com/posts/news_20230428

Fukushima Tech Create 2024 成果発表会に登壇しました(2024年2月1日)
https://elevation-space.com/posts/event_20240201

福島イノベーション・コースト構想 メディア発表会に登壇しました(2024年3月1日)
https://elevation-space.com/posts/event_20240228

これからも、東北ひいては日本の経済発展に寄与するため、「ELS-R」の着実な開発・実現に加え、浜通り地域を起点とした宇宙産業バリューチェーン(価値連鎖)の構築支援や、更なる地元企業との連携、現地雇用の創出を進めてまいります。最後になりましたが、今回の試験実施に際し多大なるご尽力をいただいた東北エアサービス株式会社、有限会社スカイライフ、相馬双葉漁業協同組合のご協力に心より感謝申し上げます。
ElevationSpace概要
ElevationSpaceは、誰もが宇宙で生活できる世界を創り、人の未来を豊かにすることを目指している東北大学発の宇宙スタートアップです。東北大学吉田・桒原研究室でこれまで開発してきた15機以上の小型人工衛星の知見・技術を生かし、無重力環境を生かした実験や実証などを無人の小型衛星で行い、それを地球に帰還させてお客様のもとに返す宇宙環境利用プラットフォーム「ELS-R」を開発しています。

■「ELS-R」とは?
これまで基礎科学的な実験から産業利用まで幅広く利用されてきた国際宇宙ステーション(ISS)は、構造寿命などの関係から2030年末に運用を終了することが決定しており、宇宙環境利用の”場”の継続的な確保が課題になっています。
ElevationSpaceは、「ポストISS時代」を見据え、宇宙環境利用プラットフォーム「ELS-R(読み:イーエルエスアール)」の提供を目指しています。
「ELS-R」は、無重力環境を生かした実験や実証を、無人の小型衛星で行い、それを地球に帰還させてお客様のもとに返す国内初のサービスです。

■「ELS-R」サービスのイメージがわかるコンセプトムービー
https://youtu.be/_2m_GXSDvdI
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