震災後、郡山市に屋内遊び場「ペップキッズこおりやま」を創設し、子どもの成育を見つめてきた菊池信太郎理事長に、乳幼児の健康の変化などを聞いた。
―震災から5年で見られた子どもの健康の変化は。
「震災前から、全国的に子どもの肥満が深刻化していた。本県では、震災によってこの問題にスポットが当たった。世間の意識に変化が芽生え、少しずつだが、県内の子どもたちの肥満は減少傾向にある。運動不足なども解消へと前進しているとみている」
―屋内施設における遊びの効果について。
「震災当時、子どもたちは室内で過ごすことが増え、周辺環境は最悪となっていた。屋内遊び場の整備によって、遊ぶことの楽しさなどを子ども自身が再認識することができ、自発的な行動を促す機会となっていると感じる」
―子どもの健康のため今後必要な取り組みとは。
「『子育て支援』の一言に尽きる。行政は手当などで保護者の支援はするが、子どもへの支援が足りない。地域ぐるみで子育てを支援する環境づくりのため、問題意識を持つ人たちがキャンペーンなどの社会的活動を推し進める必要がある」
きくち・しんたろう 東京都出身。慶応大大学院修了。医学博士。菊池記念こども保健医学研究所長。菊池医院長などを務める。45歳。