新型コロナウイルス感染拡大の影響で6月29日から一時休止していた、福島市出身の作曲家古関裕而がモデルの朝ドラ「エール」の本放送が14日から再開する。
主人公の古山裕一を演じる窪田正孝さん(32)が報道陣の合同取材に応じ、放送再開について「収録が再開できて『エール』を皆さんに届けることができるのはうれしい。ずっと最後まで完走したいと思っていた。後半も楽しみにしてほしい」と笑みを浮かべた。
日常的に福島弁
収録は3月末に中断し、感染防止対策を講じた上で6月中旬から再開した。窪田さんは、収録が休止していた2カ月半を「福島弁だけは忘れたくなくて練習していた。日常的に福島弁を取り入れ、福島との距離を近くに感じられたらいいなと思っていた」と振り返った。
一時休止を挟んだ気持ちの変化については「(コロナ禍で)当たり前のものが、当たり前ではなくなった。でも、2カ月半前の場所に戻ってこられたことがうれしかった」と語った。
物語は、第15週(21~25日)から戦争編に突入し、古関の戦時歌謡が登場する。窪田さんは「古関さんの曲は心を鼓舞するだけでなく、出征兵士とその家族を思う優しさが込められている」と分析する。
第19週(10月19~23日)からは戦後編となり、「長崎の鐘」や「栄冠は君に輝く」などの名曲を生み出す過程が描かれる。「古関さんの人柄があったから、戦後も作曲家として活動できたと思う」と役どころを振り返る。
本県は物語の重要な舞台で、県民は「エール」の本放送の再開を心待ちにしてきた。
皆さんが元気になれば
「昨年の福島ロケで実際に古関さんの軌跡をたどった。古関さんが福島を大事にしていたので、僕も福島を大事に思っている」と本県への思いを吐露した。
続けて「絶対忘れないことは、古山裕一の背景には福島がある。エールを通して福島に思いを届け、皆さんが少しでも元気になればいい」と力を込めた。