長崎原爆に遭いながら国に指定地域外とされ、被爆者認定されていない「被爆体験者」を巡り、厚生労働省は17日までに、放射性物質を含む「黒い雨」などの降下状況を検証するため実施した被爆体験記調査の結果を公表した。地域外での雨の記述が41件あったが、専門家の意見を踏まえ「降雨などを客観的事実として捉えることはできない」と結論付けた。
厚労省は昨年7月~今年6月、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館が所蔵する体験記など約13万件を調査。被爆地域外の3744件を抽出し、雨に関する記述が41件、飛散物に関する記述が159件あった。
その上で、統計学や放射線疫学などの専門家3人に評価を求めた。