福島市のJR福島駅西口にあるショッピングセンター「パワーシティピボット」の再編に向けた検討が進み、生鮮食品などを扱う食品館内の一部店舗が来年1月末をもって閉店する見通しであることが11日、関係者への取材で分かった。西口では5月に閉店したイトーヨーカドー福島店の跡地利用も決まっておらず、駅周辺の空洞化が懸念される。ピボットを運営するJR東日本東北総合サービス(仙台市)は空き店舗へのテナント誘致など、集客力を高める形で再編を進めていく方針。
関係者によると、食品館以外のテナントなどは営業を続けるが、食品館内の青果、鮮魚、精肉の販売店が閉店となる見通し。
駅西口では5月にイトーヨーカドー福島店が閉店し、周辺住民からは日常の買い物環境の不便さを訴える声が上がっている。市が6日に開いた「まちづくり検討会」でも、委員からピボットの品ぞろえの充実を求める意見が相次ぐなど、地域の買い物環境を支えるとりでとしての期待は大きく、一部店舗の閉店が招く影響が懸念される。
関係者によると、9月にフィットネスジムが閉店し、空き店舗となっている跡地には、大型スーパーなどが出店を検討しているが、検討段階のため時期などは不確定だという。
福島駅周辺地域のまちづくりを巡っては、市などが東口で再開発事業を進めており、計画の軸となる再開発ビルは5年後の2029年度に開業となる見通しで、空洞化への危機感が高まっている。市は今月から、駅構内の東西通路を無料で通行できる社会実験を始めるなど、東西一体のにぎわい創出に向けて試行錯誤を重ねている。
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福島駅西口パワーシティピボット JR東日本の子会社、JR東日本東北総合サービスが運営するショッピングセンターで1997年春に開業。生鮮食品を扱う専門店や物販店、テナントの飲食店や100円ショップ、書店など約30店舗が入る。最近では2020年にスーパー銭湯「極楽湯福島店」、24年9月に「フィットネスジムDNA西口店」が閉店した。