農林中央金庫(農林中金)が2025年3月期に連結純損益で1兆5千億円規模の赤字を見込んでいることが18日、分かった。今年5月に5千億円超の赤字見通しを示していたが、大幅に拡大する。購入時より時価が下がって含み損が膨らんだ米国などの外国債券を10兆円ほど集中的に売却することで、実際の損失として確定させる。
国債は利回りが上がると価格が下がる関係にあり、農林中金は米国の急速な利上げを受け、主に外債で2兆円余りの含み損を抱えている。市場では米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測が後退し、高水準の金利が続くと見込まれている。農林中金は含み損を一気に処理し、運用体制を見直す。