中国、比ゴムボートに刃物 衝突で兵士1人親指切断

06/19 21:56

 フィリピン船(手前中央)を挟む中国海警局の船。中国軍の南部戦区が19日、「微信(ウィーチャット)」公式アカウントで公開した(共同)

 【マニラ、北京共同】フィリピン軍のブラウナー参謀総長らは19日、南シナ海アユンギン礁での中国による17日の妨害行為で、負傷したのは親指切断の重傷を負った兵士1人だったと発表した。中国の硬式ゴムボートがフィリピン側のゴムボートに衝突して指を切断。中国側は複数のボートを刃物などで突き刺してパンクさせ、さらに乗り込んで通信、航行機器や動力を破壊し、銃7丁を強奪したという。

 一方、中国外務省の林剣副報道局長は19日の記者会見で「フィリピン側の人員に対する直接の措置は取っていない」と述べ「対応は抑制的だった」と主張した。

 フィリピン軍によると、同礁のフィリピン軍拠点への補給任務中だった。中国側が圧倒的な数の船を展開する中、フィリピン兵は素手で抵抗。近くの軍拠点にいた兵士も武器使用を控えたという。

 フィリピン外務省は19日「深刻な懸念」を表明し「中国の違法で攻撃的な行動」を非難。同省は南シナ海を巡る中国との対話に向け努力を続けていると強調し、人命や船の安全を危険にさらす行為を控えるよう中国に要求した。

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