突発的に発症し、致死率が3~7割と極めて高い「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」にかかって死亡した妊産婦が、2023年7月~24年3月に5人いたことが、日本産婦人科医会の調査で27日までに分かった。今年は全体の感染者数も過去最多を更新。妊婦が感染すると早産や死産にもつながるため、医会はマスク着用や手洗いなど基本的な対策を呼びかけている。
溶血性レンサ球菌(溶連菌)は感染すると発熱やのどの痛みなどを引き起こし、まれに急速に進行し劇症型となる。医会によると、10年1月~20年3月は妊産婦の死亡者が計22人だったが、新型コロナウイルス禍の20年4月~23年6月は死者0人だった。翌月以降増え始め、9カ月で5人となった。新型コロナの感染状況が落ち着き、対策が緩和した影響とみられる。
国立感染症研究所によると、劇症型溶連菌の今年の感染者数は7月14日までに1217人が報告。過去最多だった昨年の941人を既に上回っている。劇症型になるメカニズムはよく分かっていない。