雲の研究者であり、気象庁気象研究所主任研究官で学術博士の荒木健太郎さんが、Xで投稿した雹(ひょう)を輪切りにした写真が、230.6万件表示と話題になった。「お花みたいでキレイ」「料理人が大根で作ったバラに見えた」「お花のブローチ?それとも貝?と思った」などと驚きの声が寄せられたが、その真相を荒木さんの著書『空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA)から紐解く。
【写真】「バラのよう…」230万もの反響が寄せられた、雹の断面 図解で仕組みも解説
空から降ってくる直径5ミリ未満のものは霰(あられ)、直径5ミリ以上の氷のかたまりを雹と呼ばれている。積乱雲の中では、雲の高い場所から降ってきた雪の結晶に0度より冷たい過冷却(物質が凝固温度/0度に到達しても相変化せず、さらに低温の状態になっていること)の水の粒がくっついて凍り、「雲粒付結晶」ができる。これが回転しながら落下すると霰(あられ)になる。
しかし、0度より温かい層で霰の表面が融け、雲の上昇気流で再度0度より冷たい空に持ち上げられると、霰の表面の水の膜が再び凍り、過冷却の水の粒をくっつけてまた落下するということを繰り返すうちに、雹ができあがる。
荒木さんが投稿した雹(ひょう)の断面図には、樹木の切り株に見られる年輪のようなシマシマの模様がある。これは、過冷却の水の粒から氷の粒になった層には、粒同士に隙間があるため、不透明になる。一方、水の膜だった層には隙間がないので透明になり、年輪のような模様ができあがる。
さらに著書によると、「降ってきた雹を割ってシマシマの模様の数を数えると、何回上下運動したのかがわかるかもしれません」とのことだ。SNSでは「テレビでは、やらない部分だから、すごく勉強になりました」「一生知らなかった情報だったかも」といった声もあるが、荒木さんのSNSでは天気に関する貴重な情報が投稿されているので、参考にしてみてはどうだろうか。
“雹(ひょう)”の中身、どうなっている?「バラのよう」な断面が現れ、230万件超えの反響…その仕組みとは?
10/07 06:30
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