双葉町の伊沢史朗町長に、一部避難指示の先行解除と特定復興再生拠点区域(復興拠点)全域の立ち入り規制緩和から半年を迎えた町の課題などを聞いた。
―避難指示の先行解除などで見えてきた課題は。
「復興拠点内の住宅の解体、除染がようやく進み始めた。自由に入れるようにもなったため、復興の現状を直接見て、肌で感じてもらえると思う。しかし、心配していた空き巣被害の報告が上がってきている。警察や消防などと連携し、引き続き被害防止に努めたい」
―復興拠点内の整備状況は。
「住宅の解体が進む一方、さまざまな思いがあり、解体を判断できない町民もいる。市街地の面的な整備にも関連するが、町民の思いも踏まえ丁寧に対応したい」
―双葉駅西側では居住環境の整備に向けた土地の造成が進む。居住環境整備への考えは。
「2022年春が目標の復興拠点の避難指示解除、居住開始に向け現在、町民らがまちづくりに参加する座談会を開いている。町に帰ろうと考えている町民の意見をよく聞いて、復興や帰還の取り組みを実現させていきたい」
―政府が浜通りに整備を検討する国際教育研究拠点の誘致についての考えは。
「教育や行政、産業など幅広い分野に波及効果をもたらす大きなものでなくてはならない。言い換えれば、一つの自治体に収まる研究拠点では大したレベルではないと思う。まずは双葉地方に誘致し、その後どこに整備されても、双葉地方みんなで応援する姿勢で臨めば一番良い方向に進むと考えている」