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「からむし織姫」たたえる みんゆう県民大賞表彰式

07/21 09:40

みんゆう県民大賞を受賞し、野崎社長から盾を受ける(左から)占部さん、安斎さん、稲葉史子さん、橋本さん、池谷紀美さん=昭和村

 福島県内で大きな功績を残した個人・団体を顕彰する第34回みんゆう県民大賞(福島民友新聞社主催)のふるさと創生賞を受賞したからむし織姫(体験生)への表彰式が20日、昭和村で行われた。織姫代表で体験生31期生の占部悦子さん(愛知県出身)は「受賞は大変光栄。村民の皆さんに支えていただきながら、体験生生活を楽しみつつ精いっぱい頑張りたい」と喜びを語った。

 江戸時代から受け継がれる伝統工芸品「からむし織」の継承を目的に、昭和村が1994年に始めたからむし織体験生(織姫)事業は昨年度、30周年を迎えた。これまで受け入れた織姫は130人を数え、このうち30人以上が村に定住して活躍している。織姫事業は30年の時を紡ぐ中で伝統文化の継承とともに、地域の活性化にもつながっている。

 カラムシは上布の原料として昭和村で栽培が続けられている。2017年には古くから続く技術が評価され、「奥会津昭和からむし織」が国の伝統的工芸品に指定された。

 表彰式では、野崎広一郎福島民友新聞社社長が31期生の安斎未来さん(福島市出身)と橋本明子さん(三春町出身)に正賞の盾と表彰状を贈った。

 第34回みんゆう県民大賞はからむし織姫のほか、芸術文化賞に会津大宇宙研究チーム、スポーツ賞にプロゴルファーの蛭田みな美さん(27)=鮫川村出身、学法石川高卒=が選ばれた。

 「全て手作り」に情熱 魅力は「さらりとした感触」

 第34回みんゆう県民大賞のふるさと創生賞を受けたからむし織姫(体験生)への表彰式は、昭和村の道の駅からむし織の里しょうわで20日に開催された「からむし織の里フェア」の席上行われた。本年度に入村した体験生31期生がステージに登壇して喜びを語ったほか、31期生の稲葉史子さん(栃木県出身)と池谷紀美(いけがやのりみ)さん(静岡県出身)が野崎広一郎福島民友新聞社社長のインタビューに応じ、からむし織の魅力や織姫を志願した思いを口にした。

 織姫を志した理由について、稲葉さんは「からむし織を純粋に体験してみたいという思いがあった」と話し、入村前からからむし織に興味があったことを明かした。池谷さんは「紙すきを体験したことがあり、植物の繊維に興味があった」と村の体験生事業に応募したきっかけを紹介した。

 からむし織の魅力については「カラムシを栽培する、糸を作る、織るといった全て(の工程)が手作りであること」と稲葉さん。だからこそ、時間をかけて紡ぎ出されるからむし織の生産に情熱を傾けている。

 からむし織の布は軽くしなやかで、独特のハリがもたらす涼しい着心地が特徴とされている。池谷さんは「さらりとした感触がとても魅力的」とお気に入りのポイントを挙げた。表彰式に先立ち、フェアの一環として着物ショーが開かれた。31期生5人がからむし織の着物を身にまとい、村の特産品をアピールした。

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