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会津大研究「地域に貢献」 みんゆう県民大賞座談会、芸術文化賞受賞

07/25 08:25

座談会に臨む出村教授(左)と大竹教授=24日、会津大
月惑星Cゼミの様子。会津大の誇る教授陣の指導を受けて学生たちが研さんを積む

 会津大宇宙研究チームへ第34回みんゆう県民大賞芸術文化賞が贈られた24日の表彰式では、式に先立ち同大宇宙情報科学研究センター長の出村裕英教授、「SLIM(スリム)」プロジェクトに参画する大竹真紀子教授、野崎広一郎福島民友新聞社社長が座談会に臨んだ。出村教授はセンターについて「学術的な活動だけでなく、県や地元産業界と一緒になり相乗的な効果が得られている」と語った。

 会津大は2019年に文部科学省から「月惑星探査アーカイブサイエンス拠点」の認定を受け、同センターを設立した。野崎社長がセンターの役割を尋ねると出村教授は「宇宙科学と情報科学のシーズ(新技術)を結び付け、JAXA(宇宙航空研究開発機構)などの公開データに新たな価値を付加し、産学連携でICT(情報通信技術)サービスを提供して科学の進歩に資するもの」と説明。「地元ICT企業との連携も深めて、地域に貢献できている」と述べた。

 大竹教授は、月の起源を探ることなどを目的としたスリムプロジェクト、月や火星の環境を地上につくり効率的に探査車やロボット開発を進める「月火星箱庭構想」について説明。スリムプロジェクトの現状は「観測データの解析を行っており、少しずつ成果が出ている」とした。月火星箱庭構想については「リアル空間と仮想空間を組み合わせるという部分で大学関係者の知見を生かせる強みがある」とし、多くの関係者と協力しながら進行中であることを紹介した。

 学生への期待を問われた出村教授は「ICT伸展、宇宙への人類進出というこの時期に居合わせているというのは、学ぶことは大変だが、非常に幸運なこと。身に付けたICTで広く社会に貢献し活躍してもらいたい」とエールを送った。


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