クマの目撃や人身被害が相次いでいることを受け、県と喜多方市は24日、同市の押切川公園薬草園などでツキノワグマ出没対応訓練を行った。関係者が市街地などにクマが出没した際の対応を確認した。
関係者の連携強化を目的に2022年から実施しており、3回目。県や市、市鳥獣被害対策実施隊、喜多方署などから約40人が参加した。訓練は「住民が公園西側の住宅街で体長約1.5メートルのクマを目撃した」との想定で行われた。住民から通報を受けた喜多方署がパトカーでクマを捜索。現地で対策本部を設置した。
クマに扮(ふん)した関係者が公園脇の道路を走り、木の上に逃げた状態をクマの模型で再現。獣医師が麻酔銃で眠らせ、市鳥獣被害対策実施隊などが捕獲するまでの流れを確認した。今年は初めて机上訓練も行い、参加者がクマ出没時の対応について意見を交わした。
県によると、本年度の県内のクマ目撃件数は21日現在で396件で、昨年7月末時点の346件を既に上回っている。人身被害は喜多方市などで3件発生している。
吾妻正明県自然保護課長は「特に朝と夕方はクマの活動時間と重なっているため、クマよけの鈴を身に着けるなど対策を取ってほしい」と呼びかけた。