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伊藤忠商事、県内に水素製造拠点計画 供給から流通、一貫体制へ

07/27 07:30

 伊藤忠商事(東京都)は26日、県内に生産過程で二酸化炭素(CO2)を排出しない「グリーン水素」の製造拠点整備を計画していることを明らかにした。規模など詳細は未定だが、県内で水素供給から流通までの一貫した体制を構築したい考えで、海外輸出なども視野に入れる。計画が実現すれば、県が目指す「水素社会の実現」に向けた追い風になりそうだ。

 伊藤忠商事などは今年5月、本宮市に国内初の24時間営業が可能な水素ステーションを開設した。同社によると、水素は既存燃料と比較して運送コストが高額で、水素ステーションで提供する水素を県内で生産できれば輸送コストを抑えられ、利用拡大につながる可能性があるという。同社は現在、水素拠点の事業化に向けた調査を進めており、結果を踏まえて詳しい整備計画を決める方針だ。

 同社の石井敬太社長・最高執行責任者(COO)と内堀雅雄知事は26日、県庁で水素の利活用推進などを盛り込んだ包括連携協定を締結した。同社は、県と連携して水素で走る燃料電池自動車(FCV)の普及や工場などへの水素利用の働きかけなど、水素の需要拡大にも取り組む方針だ。

 県内では、浪江町に世界有数の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」があるほか、工場で製造した水素を生産工程で活用する地産地消の取り組みなどが始まっている。県は、水素社会実現に向けて2030年までに水素ステーション20基の整備を目標に掲げており「伊藤忠商事との連携により、水素の利活用をさらに進めたい」(エネルギー課)としている。

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