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西芳照さん「知識と技術、力に」 道の駅なみえ総料理長就任

08/14 09:15

道の駅なみえの厨房に立って代表メニューを提供する西さん

 サッカーワールドカップ(W杯)日本代表同行シェフとして知られる西芳照さん(62)が、浪江町の「道の駅なみえ」の総料理長に就任した。フードテラスでW杯メンバーも味わった「代表メニュー」を提供するほか、道の駅全体の新メニューの開発などにも関わる。13日には道の駅の厨房(ちゅうぼう)に立ち「自分の知識と技術が少しでも力になれば」と食の面からの地域振興へ決意を新たにした。

 西さんは南相馬市小高区生まれ。東京都の懐石料理店での修業などを経てJヴィレッジの開設当初から勤務、1999年から総料理長を務めた。サッカー男子のW杯には2006年ドイツ大会から5大会連続で同行し、専属シェフとして代表選手を支えた。Jヴィレッジ時代から浪江町の請戸漁港の新鮮な食材を仕入れていた関係などから、総料理長就任に声がかかった。

 13日には、道の駅を運営する一般社団法人まちづくりなみえと、西さんが代表を務める「DREAM24」が連携協定を結んだ。フードテラスの直営の食堂にDREAM24のスタッフが入り、西さんが考案した「代表メニュー」を提供する。第1弾として代表ハンバーグカレー(1650円)、代表ハンバーグ(1540円)、代表カレー(1320円)が定番メニューに加わった。

 西さんも非常勤で厨房に立つほか、道の駅のフード部門全体を助言する。浪江の食材をふんだんに使った新メニューや団体来場者用の弁当、宴会料理の開発などが予定されている。またスポーツ選手の体づくりに必要な食事メニューを家庭で出すことができるような料理教室も開催する。

 西さんは、県内で大きな功績を残した個人・団体を顕彰する第33回みんゆう県民大賞(福島民友新聞社主催)のふるさと創生賞を受賞している。

 五輪「食進むよう家庭料理も」

 西さんは、パリ五輪でサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」のシェフを務めた。代表は予選リーグで強豪を撃破したが、決勝トーナメント準々決勝の米国戦に延長の末、敗れた。課題は猛暑の中で戦う選手の体調管理だったといい、西さんは「疲労回復のための肉に加え、食が進むようひじきや切り干し大根などの家庭料理を出した」と振り返った。


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