東京電力福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しが準備作業中のミスで中断した問題で、東電は26日、作業再開の見通しが立っていないことを明らかにした。内堀雅雄知事は同日の定例記者会見で「県民は(廃炉の)最難関の課題のデブリ取り出しが一歩でも前に進むことに期待を寄せている。一方で一つの間違いが大きな影響を及ぼしかねない」と述べ、速やかな原因究明と再発防止対策の徹底を東電に求めた。
斎藤健経済産業相も東電の小早川智明社長に原因究明を指示しており、今週中に報告するよう求めている。東電によると、26日も引き続き作業関係者に当時の状況などの聞き取りを進めており、東電の作業への関与具合も調べて再発防止策を打ち出し、報告書をまとめる方針。東電は「報告書をまとめる期限は未定」としている。その後、県や関係市町村に状況を説明してから作業を再開するという。
ミスは原子炉格納容器の貫通部に取り出しに使う装置を押し込むパイプの接続順を誤った初歩的なもので、2号機での作業に着手予定だった22日に発覚した。